ボタンを移動できない
ジャケットの袖丈が長すぎる場合、通常は袖口で加工を行います。その時、
◎袖口にボタンがついている場合は、全て外し、付け直します。
◎ドットボタンはつけ直せないので、数を減らします。
ボタンの跡が取れない
ボタンは移動できたのですが、ボタンを付けたときに印をしたチョークや針目の跡が残ってしまいました。これは生地によっても異なりますが、シルク、綿、ポリウレタン混入素材は跡を消しにくい素材です。ベルベットやベロアなどの素材も問題です。
セッパが移動できない
セッパや本セッパがあるデザインは、セッパを移動しなくてはなりませんが、素材によってはできないものもありますから、必ず確認しましょう。
◎セッパ ポタンホールに見せかけたデザイン
◎本セッパ 実際にボタンの架け外しができるホールが開いているデザイン。
裏地に余裕がない場合の袖出し
袖が短い場合、袖を出すことになります。裏地に余裕があれば、ある程度は出すこともできますが、余裕がない場合が多いのです。
あきみせ袖の調節
あきみせ袖の調整は、工夫次第で可能な場合と、加工が難しい場合があります。
すぐにできないと判断せず、
◎裏地はあるか
◎ボタンのあるなし
といった縫製を調べてください。
肩で袖丈を詰める
この修理の出来上がりで加工業者のレベルの差がはっきりと現れます。作業はミリ単位で出来上がりに影響するので、実際に加工を担当する人の目に浮かぶように、細かく指示をだすことが大切です。
詰め寸法の決め方
平均的な袖丈を決める目安として、腕を自然に下ろしていただきき、親指と人差し指を合わせた付け根を基準にします。
基準点から5cm上 平均的
4cm上 ソフトスーツ等に多い長めの袖
6cm上 礼服や年配の方
以上が目安ですが流行や素材によってもかなり変わってきます。
肩幅があっていません
ジャケットの着こなしは、肩を決めるところから始まります。
基本的な適正位置は、上腕から真っ直ぐ上に袖山があるのがベストとされています。
肩幅をアレンジすることで、少しイメージを変えることもできます。
骨格による補正の違い
骨格の違いで、怒り肩、なで肩、前肩などがありますが、この中でも一番肩幅を決めにくいのはなで肩です。クレームの原因となりやすいポイントを見てみましょう。
- 袖幅が広いのに、肩幅だけ詰めてしまう
- なで肩の典型的な特徴で、脇の下がダブついて、腕を上げると上腕部が引っ掛けたようで窮屈そう。これは指示の間違いからくるクレーム率の高いケースです。
- 前肩や怒り肩の場合、肩パットの入り方があっていない。
お客様の採寸と加工指示に注意することで、こういった問題を避けることができます。
肩幅を詰める指示の出し方
前後の身頃でそれぞれ肩を詰めてきますので、ラインの消す位置が違うはずです。
巾の詰め出しは全て、どこで元のラインに戻るかがポイントになります。
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